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敷引とは?賃貸契約で損をしないために知っておきたい基礎知識



🔰 敷引とは?簡単に言うと…

敷引(しきびき)とは、敷金の一部を退去時に差し引いて返金しないことを契約で定めた制度です。
たとえば、以下のような契約内容だった場合:

  • 敷金:20万円
  • 敷引:10万円

この場合、特にトラブルがなく退去したとしても、10万円は必ず差し引かれて返ってきません

敷引はもともと関西圏(大阪・兵庫・京都など)で多く見られた制度ですが、近年では関東の一部地域でも見かけるようになってきました。そのため、地域に関係なく注意が必要です。

💡 敷金と敷引の違い

用語意味返金されるか?
敷金トラブルや修繕に備えて預ける保証金原則返金(差し引かれる場合あり)
敷引敷金のうち、契約で返金しないと定めた部分原則返金されない

🧾 敷引は契約書のどこに書いてある?

敷引がある場合、契約書内の次のような箇所に記載されます:

  • 契約条件一覧:敷金・敷引・礼金などが一覧で記載されている
  • 特約事項欄:「敷引として○万円を差し引く」と明記
  • 原状回復の説明欄:「敷引制度を採用している」などの記載

口頭説明のみで契約書に記載がない場合は、トラブルの原因となるため注意が必要です。

⚖️ 敷引は法的に認められているの?

契約書に明記されていれば、敷引制度は基本的に合法です。実際、裁判でも契約書に記載された敷引は有効と判断された事例があります。
ただし、次のような場合は消費者契約法により無効と判断される可能性があります:

  • 敷引金額が高すぎる(例:家賃の4~6ヶ月分など)
  • 敷引の目的が明確でない
  • 通常損耗まで借主に負担させている

消費者契約法第10条は「消費者に一方的に不利な契約は無効」と定めており、これに該当する場合は争う余地があります。

🐾 ペット可物件では敷引が増える?

ペットを飼育できる物件では、敷引の金額が通常より高くなる傾向があります。
その主な理由は以下のとおりです:

  • ペットによる床や壁の傷
  • 動物臭の除去費用
  • 清掃の手間の増加

ペットありで契約する場合は、敷引の増額が特約で定められていることが多いため、契約書をよく確認しましょう。

ペット飼育による敷引増額の一例:

条件敷金敷引返金額
ペットなし20万円10万円10万円
ペットあり30万円25万円5万円

🏠 戸建賃貸・テラスハウスでも敷引が設定されやすい理由

戸建賃貸やテラスハウスなど、専有面積が広く原状回復費用が高くなりやすい物件では、退去時の費用を見越して敷引が設定される傾向があります。

原状回復費が高くなる主な理由

  • 床や壁などの面積が広く、張り替えコストが高い
  • 庭や外構の維持費(除草・整地など)が必要
  • ウッドデッキや駐車場など屋外設備の修繕が入居者負担になるケース
  • 集合住宅と違い共用部がなく、修繕対象がすべて専有部分になる

特にペットを飼っていたり、家族人数が多かったりする場合など、生活の痕跡が残りやすい入居者にとっては、敷引の意味合いが大きくなります。

「戸建てだからこそ敷引がある」と理解し、契約書を慎重に確認しましょう。

❌ 敷引があっても原状回復は無料ではない?

「敷引があるから原状回復費用はかからない」と思われがちですが、それは誤解です

敷引は、退去時に差し引かれる一定金額をあらかじめ定めているに過ぎず、原状回復費用のすべてをカバーするとは限りません。

📌 実際に追加費用が発生するケース

  • ペットによる傷やにおいなど、通常損耗を超えるダメージ
  • 喫煙によるヤニや臭い、壁紙の変色
  • カビ、水漏れ、家具跡による著しい劣化
  • 設備の故障や破損(ガラス・網戸・鍵など)

🧾 契約書の特約に注目

次のような文言がある場合、敷引とは別に追加請求がある可能性が高いです:

  • 「敷引金とは別に原状回復費を請求する場合があります」
  • 「退去時にハウスクリーニング代○円を請求します」
  • 「通常損耗であっても借主負担とする」

逆に、「敷引金にて原状回復費を包括的に精算する」と明記されていれば、原則としてそれ以上の請求はされにくくなります(※故意・過失がある場合を除く)。

💰 敷引の金額相場は?

家賃敷引相場(通常)敷引相場(ペットあり)
~5万円5~10万円10~15万円
6~8万円10~15万円15~20万円
10万円以上15~30万円20~40万円

ペット可物件では、敷引だけでなく「クリーニング費用」や「修繕費」も発生しやすいため、トータルでの負担を考慮する必要があります。

⚠ 敷引でよくあるトラブルと回避法

  • 敷引の存在を知らずに契約してしまった
  • 退去時にペットによる損耗で追加請求を受けた
  • 「敷引+原状回復費用」で二重請求のように感じた

トラブル回避のポイント:

  • 契約書をすみずみまで読み、不明点は必ず確認する
  • ペット可物件では「特約事項」を必ず確認する
  • 入居前に室内の状態を写真で記録しておく

✅ まとめ

  • 敷引は返ってこない前提の費用
  • 関西中心だったが、関東でも増加傾向
  • 契約書に明記されていれば法的に有効
  • ペット可物件では敷引が高額化しやすい
  • 契約前に内容をしっかり確認することが重要

📝 よくある質問(FAQ)

Q. 敷引って絶対に返ってこないの?
A. はい。契約書に明記されていれば、原則返金されません。
Q. ペットを飼っていたら敷引以外にも請求される?
A. はい。傷や臭いが著しい場合は、敷引とは別に修繕費を請求されることがあります。

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