今回はお部屋探しをしている方に向け、入居審査について解説します。
この記事はこんな方にオススメ。
- 入居審査の回答が来ないけどいつまでかかる?
- 過去に借金をしたけど審査は通る?
- 無職で収入がないけど審査は通る?
- アルバイトだけど審査は通る?
- 審査に落ちてしまったら契約はできない?
入居審査をお願いしたのに、不動産屋からなかなか連絡が来ないと不安ですよね。
書き方がまずかったかな、
収入が少なすぎるかな、
何が引っ掛かっているのかな、
落ちたらどうしよう、
と悩まれていると思います。
実は入居審査で悩んでいる人は意外と多いです。
一番の理由は回答がなかなか来ない事です。
回答が来ないと不安は増幅し、疑心暗鬼になってしまいます。
この記事では少しでも不安を払拭できるよう、実際の経験と事例を踏まえ解説いたします。
結論
- 入居審査の通過率は95%
- 入居審査は支払い能力の確認と、不審な点がないかの確認
- 落ちる理由は、どちらかが抵触している
- 回答が遅い理由は担当者都合が多数
- 審査に落ちてしまうと原則契約できない
自己紹介
mai
賃貸一筋20年の宅地建物取引士。
賃貸業務一連の実務経験有り。
現在は年間約200本の賃貸借契約がメイン。
「満足度の高い取引の達成」を目指しましょう。
このサイトは、コンプライアンスを重視します。
常識から逸脱する行為は、事例として紹介することはありますが推奨はできません。
また、筆者の経験から派生した主観が含まれます。
ご意見、ご質問などお気軽にコメントください。
この記事を読むと得られる事
- 賃貸動向と実情の把握
- 賃貸知識と知恵の習得
- 取引の疑問と不安解消
- 判断力、対応力の向上
それでは詳しく解説いたします。
入居審査とは?
入居審査とは契約をする前に、
きちんと家賃を払えるか、
犯罪や詐欺の拠点等に使われないか、
転居理由や用途が不自然ではないか、
といった不審な点がないかを確認する作業となります。
基本的には申込書に書かれた内容から、ペーパーのみで判断されます。
信用情報が整っている方など、本人確認の連絡すら入らない事も有ります。
電話による本人確認を必須としている場合や、稀に面談が必要というような場合もあります。
本人確認が必要な場合、電話に出れないだけで、審査には落ちませんが、電話に出ないと審査通過とはなりません。
着信があったら、番号を確認し折り返しをすると良いでしょう。
申込書の内容はこちら。
- 氏名、性別、生年月日
- 携帯番号、メールアドレス
- 同居人、家族情報
- 勤務先情報、勤続年数、年収
- 居住年数、転居理由
- 連帯保証、緊急連絡先
ホテルの宿泊などとは違い、長く住まいを提供する上で、確認が必要であると言えます。
入居審査は、管理会社、仲介業者、貸主、保証会社にて行う事が一般的です。
よって時間がかかります。
メインは保証会社による審査です。
保証会社とは「保証人代行」のような会社です。
簡単に言うと、賃料を滞納した場合、貸主へ一時的に立て替えてくれる、と言う感じです。
保証会社が通過すれば基本的には入居できます。
連帯保証人とはかなり責任の重い立場になります。
お願いする場合も、受ける場合も必ずこちらの記事を確認しましょう。
連帯保証人とは?賃貸契約時の審査、いない場合は保証会社で代行できる?を解説。審査の期間は早ければ1〜3日、遅いと4〜7日くらいの印象です。
不動産担当者は同時進行で複数の方のお相手をします。
申込が重なったり、案内が重なったりすると、どうしても遅くなってしまう事があります。
審査自体は1日で回答が出る保証会社だったとしても、下記のような事が発生するのです。
- 審査の依頼自体を提出していなかった
- 関係者への確認がとれない
- 審査結果は出ているのに、連絡をする事を忘れていた
- 忙しかった
- 他の方を優先し、後回しにしていた
担当は一生懸命取り組んでいますが、審査が遅い要因は担当者都合がほとんどです。
担当によってはあなたの不安をよそに、事務的で比較的軽いタッチで携わっている方もいるのです。
このような担当者の場合、審査の速度に比例し契約書も遅くなるかもしれません。
こちらも多い悩み事なので、事前にこちらの記事も確認をしておきましょう。
賃貸の契約書が来ない。審査、申込後いつ届く?不動産屋に聞いても良い?を解説。待たされて心配な方は「いつ頃審査結果はいただけますか?」と担当者に聞いてみましょう。
意外と「既に審査通過しています」なんて回答もあるかもしれません。
審査を受付する為の基準として最も多い条件は一定収入有、という条件です。
一定の収入がない(無職の)方は審査をしてくれない、という事です。
審査時に年収を気にする方もいらっしゃいます。
基準としては一定収入があれば審査は可能です。
預貯金で審査はできないの?
という質問が非常に多いのですが、原則保証会社は預貯金での審査を受付していません。
不動産業者により、受付できる場合もありますが、賃料の支払い能力が無いと判断されるケースはこちら。
- 無職
- 求職中
- 退職予定で、就職先が決まっていない方
例えば、あなたがお金を貸すならどちらが良いでしょう。
①貯蓄が100万、無職、固定収入のない人
②貯蓄が20万、大手企業に勤め、安定収入のある人
一般的には②の方が安心感がある、という判断になります。
貸す側は、安心感の高い方を選択します。
その他、審査の条件として
- 外国籍不可
- 高齢者不可
- ルームシェア不可
- 店舗、事務所不可
などの制限。断られる可能性が高いです。
審査時のポイントは、滞納記録と転居理由
審査の基準は家賃が払える事、怪しい人ではない事、です。
保証会社は審査機関独自の基準があり、基本的にその審査基準は開示されない為分かりません。
信販系(オリコ、ジャックス、エポスカード等)は比較的審査が厳しいです。
基本的に見るのは過去の金融情報の記録がメインです。
逆に言うと、金融情報の記録以外に調べる事が難しいといえます。
また「信用情報がない」方も稀にいらっしゃるようです。
この場合、審査に落ちる事があるとも言われています。
情報が無い方を、スーパーホワイトと言います
怪しい申込の具体例。
- 1人で3LDKに住む
- 家族4人で1LDKに住む
- 勤務先が遠方(県外)
- 転居理由が曖昧
- 妻や子の名義(通常は夫)
- セカンドハウス
- ルームシェア
- 行動、言動、態度
このような点も審査時に見られています。
毎日入居審査を行なっている人は、申込内容を見れば不自然な点はすぐに分かります。
例えば比較的多い項目として、カップルの「ルームシェア」があります。
同棲を隠す為に「ルームシェア」として申請するのです。
この場合は素直に「同棲」として申請した方が、審査に通るかは別ですが、自然です。
家族の同意がない場合に使われます。
転居理由を「騒音による住み替え」とする方は、警戒される場合があります。
今回の契約で騒音トラブルが発生すると考えるからです。
また、非常識な言動や態度によっても落ちる場合があります。
高圧的な接し方や挙動不審な言動等がないよう、最低限のマナーを守りましょう。
審査に落ちたら、申込内容変更
審査に落ちた場合は、基本的に契約はできません。他の物件や不動産業者に相談しましょう。
どうしても諦められない場合の手段は以下の通りです。
保証会社によると入居審査で引っかかってしまう方、否認となってしまう方の割合は5%です。
逆に通過となる確率は95%、100人に5人は否認。となります。
私の体感的にも大幅な狂いはありません。
筆者の経験上、審査が通過しにくい職業は下記のとおりです。
1位 無職、生活保護
2位 水商売(キャバクラ、ホスト)
3位 パート、アルバイト
4位 契約社員、派遣社員
5位 個人事業主、フリーランス
6位 スポーツ選手、芸能人、アーティスト
7位 飲食業、不動産業
8位 運転手、肉体労働
9位 学生
10位 会社員、サラリーマン
11位 国家公務員
どうしてもその物件で契約したい場合、考えられる手段は6つあります。
- 親や兄弟など、代理人で再審査
- 同居人がいれば、同居人での再審査
- 勤務先の会社による、法人での再審査
- 別の保証会社による、再審査
- 申込書を訂正し、再審査
- 別の不動産会社へ行き、再審査
全ての項目で共通して言えるのは、何かしらを変更する必要があります。
そして再審査は審査自体を断られる可能性が高く、通過する可能性は低いという事が言えます。
保証会社を変えただけで通過する場合もあります。
また、申込書の記入を間違えてしまい、審査に落ちてしまった場合、上記の通り申込書訂正後の再審査はできなくはありません。
意図的に変更したり、虚偽の申告をする事は控えましょう。
虚偽の申告は発覚した場合に白紙撤回、または解約を迫られる可能性がある為です。
再審査を受付てくれたとしても、一度落ちてしまっいる以上、不動産業者も保証会社も警戒はします。
申込内容を変更、修正しただけで審査に通過するとは考えにくいです。
特に保証会社が通らなかった場合、たとえ安い物件に変更したり、内容を修正したりした場合であっても、それを覆す事は困難であると言えます。
また、借りる側の方からしても、申込内容を変更しての再審査は、協力者が少ない事が多く、申込条件を満たす事は難しいと言えるでしょう。
例えば法人契約の場合、そもそも法人が受け入れてくれない可能性があります。
もし受け入れてくれたとすれば、基本的に入居者の審査はありません。借主が法人である以上、入居者の責任は法人にかかる為です。
方法が無いわけではない、という程度です。
他の物件でも審査は通る?
他の物件は審査に通る可能性があります。
別の物件を申込む時は、別の保証会社か、保証会社不要の物件を探しましょう。
保証会社の審査は比較的厳しいと言えます。
不動産会社や自主管理によるオーナー審査のみであれば、入居させてくれる可能性があります。
また、次に申込をしたい物件が、保証会社必須の場合は、正直に落ちてしまった事を申告し、先に審査をしてもらいましょう。
不動産業者が受けてくれるかは分からず、確率も低いかもしれません。
見学をして気に入ってから審査に落ちるよりはマシ、という考えです。
保証会社の種類によっては、通過となる場合があります。
まとめ
- 入居審査の通過率は95%
- 入居審査は支払い能力の確認と、不審な点がないかの確認
- 落ちる理由は、どちらかが抵触している
- 回答が遅い理由は担当者都合が多数
- 審査に落ちてしまうと原則契約できない
入居審査とは、申込内容に不審な点がないか、家賃をきちんと払えるか確認する事です。
入居審査が落ちる理由は、
申込内容に不審な点がある。
過去において未払い料金等の問題がある。
信用情報自体が存在しない。
という事をお分かりいただけましたでしょうか。
厳しいような内容も含まれていると思います。
全く違う考えで運営している貸主や不動産業者も数多くあると思います。
一つの指標、考え方として参考にしていただけると幸いです。
ではまた。